膠原病

DEPARTMENTS

CONTENTS

INFORMATION

  • 医療関係者の方

  • 採用情報

  • 研修医サイト

  • 看護部サイト

診療受付時間 午前 8:30〜11:00
休診日 土・日・祝日・創立記念日(5/1)
・年末年始(12/29~1/3)
面会時間 平日 14:00~16:00、
土・日・祝日 13:00~17:00

膠原病

膠原病患者さんへ

「膠原病」は患者さんにとって“わかりにくい病院言葉”の代表格です。膠原病は「免疫」の病気で、総称です。免疫は異物から体を守るための正常な生体防御反応であり、本来は自己と異物とを正確に区別しています。しかし、何らかの原因で、自分の体の成分(自己抗原)を異物と認識するリンパ球ができてしまうと、抗体(自己抗体)が産生されます。やがて、体に害を及ぼす持続的な免疫応答を生じるようになれば、病気(自己免疫疾患)として認識されます。免疫応答には強弱さまざまな「炎症」をともなうため、発熱、疼痛(関節、筋肉など)、皮疹、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状として自覚されます。さらに問題なことに、炎症は組織を傷害しますが、全身の重要臓器(肺、腎臓、神経、心臓など)に波及した場合、放置すれば不可逆的、致命的な臓器不全に至ります。したがって、膠原病が疑われる場合には、他の病気と同様に、早期診断と早期治療が必要です。しかし、膠原病には、(A)原因が一つではない、(B)症状と臓器障害が多彩である、(C)ゆっくり発症する、という特徴があるため、早期の確実な診断は難しく、専門医への受診が勧められます。

自己抗体の種類と障害されやすい臓器の組み合わせは膠原病の種類によって異なることを利用して、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、顕微鏡的多発血管炎などを区別して診断します(いわゆる診断基準、正確には分類基準)。膠原病には上記のような共通した病態があるため、治療もおおむね共通しています。関節リウマチでは「抗リウマチ薬」が中心となりますが、全身性エリテマトーデスなど多くの膠原病では、炎症と免疫を抑える力の強い「ステロイド薬」を基本として、難治例や再燃例では「免疫抑制剤」を併用してステロイド薬の作用を補助します。症状の改善および重要臓器における炎症を早期、確実に鎮静化させることが短期的な治療目標であり、初期には強力な治療(大量ステロイド薬と免疫抑制剤の併用)を行います。この時期(約1ヶ月)は、入院にて厳重に管理しています。

病気が完全に鎮静化した、いわゆる「寛解」の状態まで改善しても治療を中止するとほとんどが「再燃」するため、弱い治療を長期に続けます。治療薬には「副作用」も多いため、有効性だけではなく、安全性への配慮も求められます。再燃を防ぎつつ、治療薬の副作用をできるだけ減らすことが長期的な治療目標であり、膠原病患者であっても健康長寿をめざすための条件です。そのためには薬物療法だけではなく、適切な患者教育と信頼関係が欠かせません。ステロイド薬には日和見感染症、骨粗鬆症、大腿骨頭壊死、ステロイド精神病などの重篤な副作用をはじめ、糖尿病、脂質異常症、肥満、ムーンフェイス、高血圧、白内障、緑内障、ざ瘡、不眠、胃潰瘍、筋萎縮など多くの副作用がみられます。これらの副作用には、(A)出やすさに個人差がある、(B)ステロイド量が減ればリスクも減る、(C)一部は予防できる、という特徴があります。副作用が多くても、ステロイド薬は膠原病治療に欠かせないため、副作用をできるかぎり減らす工夫と努力が相互に求められます。当科で実践している指導内容(①ステロイド薬の副作用を軽減するための栄養相談②膠原病の治療効果を高めるための栄養相談)をPDFで添付しますので、是非ご一読ください。

関節リウマチ患者さんへ

関節リウマチ(RA)は、関節や肺に炎症をおこす、免疫の病気です。膠原病(こうげんびょう)のなかで一番患者数が多く、日本に60〜100万人、姫路市には2500〜5000人おられます。

関節リウマチは、自然になおることはないので、診断されれば、「抗リウマチ薬」による治療が必要です。抗リウマチ薬は、免疫の異常が関節に炎症をおこす経路をおさえ、痛みをなくし、関節がこわれないようにする薬です。治療によって、日常生活と生活の質をとりもどすことが目標です。

現在、関節リウマチの治療は、「メトトレキサート(MTX)」が第一選択薬です。この薬を安全に有効に使うことが出発点となります。そのための当科オリジナルのPDFパンフレットを作成しましたので、ダウンロードの上、ご活用ください(MTXパンフレット)。

MTXが十分に効かなかった方に対して、最近では、リウマチの炎症や関節破壊に直結する分子をおさえるよう設計された、生物学的製剤やJAK阻害剤が広く使われるようになりました。とてもよく効く薬です。しかし、よく効く薬は、副作用も多く、薬剤費も高いので、薬を安全に使うための注意点を、よく勉強していただく必要があります。

この度、外来での病気の説明や抗リウマチ薬の説明を補足するために、患者さんとご家族向けに、電子書籍「関節リウマチとのつきあいかた~もとどおりの生活にもどるために~」を執筆しました(amazon kindle, 2023年3月)。これからの治療に役立つ情報がありますので、あわせてご活用ください。

私たちは、地域のすべての患者さんが適切な時期に適切な治療をうけられることを目標としています。初期治療にて病状が安定すれば、患者さんの状況に応じて、「専門クリニック」や「リウマチ診療の経験あるかかりつけ医」に逆紹介しています。ご協力よろしくお願いします。

地域の医療機関の皆様へ

平素より多くのリウマチ・膠原病患者さんをご紹介いただき、また地域連携にご協力いただきありがとうございます。先生方が必要と感じたどのタイミングでも結構ですので、ご紹介をお願いします。特に、❶発症時の診断と初期治療、❷悪化時(難治性/再燃)の治療強化、は専門施設での対応が必要なケースが多いかと思います。関節リウマチ(RA)に関しては、もし安定期の維持療法にもご協力いただけるようでしたら、密に連携をとらせていただきますので紹介時にご一報ください。SLEや血管炎などのステロイド治療を要する膠原病に関しては、疑い例でも結構ですので、早めにご紹介ください。疾患の性質上、当院で維持療法まで診させていただきますが、合併症(糖尿病、高血圧など)や感冒の初期対応などを併診継続でお願いできましたら助かります。

理想のリウマチ・膠原病の地域連携とは、①すべての患者さんが適切な時期に適切な治療を受けられること、②特定の医師/医療機関に過剰な負担をかけない継続可能な体制であること、の2つを満たすことが必要条件と考えます。専門医が多いとは言えない中播磨・西播磨地域での理想の地域連携(RA)についてアンケート調査をもとに考察しましたので、よろしければご一読ください(関節リウマチ患者の紹介状況から考える理想の地域連携)。