放射線科

放射線科

診療方針

 放射線診断科においては画像診断部門、IVR部門と大きく二つの分野に分かれています。
画像診断部門ではCT、MRIおよび核医学による画像診断が主体となります。診断用のCTは320列のマルチスライスCTに加えて昨年4月より最新型のDual-energy CTが稼動し、仮想単色X線画像や物質密度画像を用いて従来の画像では得られなかった情報による病変の評価や造影剤の低減などが可能となっています。MRIでは昨年6月より3TのMRI装置を3台体制で診断を行っています。脳神経や脊椎はもとより、肝臓をはじめとする消化器、乳腺および泌尿生殖器の疾患など、あらゆる領域において画質および診断の向上が顕著です。核医学においてもSPECT-CTを用いて診療を行っていますが、昨年6月より最新のPET-CT装置が稼働し、さらに高度な診断が可能となっています。IVR部門では血管撮影装置と高性能CTを組み合わせたIVR-CTを用いてTACE(肝動脈化学塞栓療法)による肝癌の治療などや生検、ドレナージに大きな威力を発揮しています。本年度にはIVR-CTも最新の装置に更新の予定であり、さらなる手技、診断の向上が期待されます。
 放射線治療科においてはVarian社製CLINAC iXとTrueBeamの2台体制で稼働しています。これらの装置は、より細やかな照射野設定が可能となる5mm幅マルチリーフコリメータや診断用X線撮影装置を搭載し、治療装置を回転させることで横断CT画像も撮影できます。これにより治療部位の正確な把握が可能となり、治療計画時の画像と治療直前に撮影した画像とを重ね合わせることで照射位置の誤差を微調整できます。この方法を画像誘導放射線治療 (Image Guided Radiation Therapy: IGRT)と呼び、毎回の治療を再現性良く行うことで病巣に対して正確に照射できます。体幹部の照射の際には、肺や心臓などの正常組織の線量を減少することができる深吸気息止め照射にも対応しています。またTrueBeamは、転移性脳腫瘍や肺腫瘍等に対してピンポイントに照射する定位放射線治療(Stereotactic Radiotherapy: SRT)、前立腺がんや頭頚部がん、原発性脳腫瘍等に対する強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiotherapy: IMRT)、血液疾患に対する骨髄等の移植前の全身照射(Total Body Irradiation: TBI)を行うことが可能となっております。2020年より前立腺がんに対するIMRTと移植前のTBIを、2021年より転移性脳腫瘍と肺腫瘍に対するSRT、頭頚部がんに対するIMRTを開始しています。
 現在は4名の放射線診断専門医と2名の放射線診断医を含む9名が熟練した専任の放射線技師と協力して高度な総合画像診断、IVR、放射線治療をめざして日常の診療業務を行っています。

患者さんへ

全ての検査と放射線治療を専門の放射線技師が担当し、患者さんの質問や疑問等にお答えし、安心して検査を受けて頂けるように努めています。また、乳房撮影は女性の放射線技師が担当していますので安心して撮影にお越しください。CT・MRI検査では放射線科専門医が造影検査が必要かどうかを判断して、必要な場合は患者さんに適した造影検査を引き続き行っていますので、後日に再度造影検査のためにご来院いただく必要はありません。

スタッフ紹介

  • 三森 天人

    放射線診断科部長
    卒業年

    H2

    専門領域

    画像診断

    認定医・専門等資格名

    日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導医
    岡山大学医学部臨床教授

  • 武本 充広

    第一放射線治療科部長
    卒業年

    H3

    専門領域

    放射線治療

    認定医・専門等資格名

    日本医学放射線学会放射線治療専門医・指導医
    日本がん治療認定機構がん治療認定医

  • 河原 道子

    第二放射線治療科部長
    卒業年

    H2

    専門領域

    放射線治療

    認定医・専門等資格名

    日本医学放射線学会放射線治療専門医・指導医
    日本がん治療認定機構がん治療認定医
    日本核医学会PET核医学認定医
    日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医師
    日本乳癌学会乳腺認定医 

  • 大前 健一

    放射線技術部長
    卒業年

    H10

    専門領域

    画像診断・IVR

    認定医・専門等資格名

    日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導医
    日本IVR学会IVR専門医
    日本核医学会PET核医学認定医
    日本消化器がん検診学会認定医

  • 正岡 佳久

    放射線診断科副部長
    卒業年

    H18

    専門領域

    画像診断

    認定医・専門等資格名

    日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導医
    日本核医学会PET核医学認定医

  • 蟹江 悠一郎

    放射線診断科副部長
    卒業年

    H22

    専門領域

    画像診断

    認定医・専門等資格名

    日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導医
    日本核医学会PET核医学認定医

  • 岡田 紘輔

    専攻医
    卒業年

    H29

    専門領域

    放射線一般

連携病院・開業医の先生方へ

CT・MRI・RI・胃透視、注腸検査等をお受けしています。いずれも予約制とさせていただいています。原則的に検査終了後1~2時間後には患者さんに検査報告書と画像データまたはフィルムをお渡ししています。諸先生方のご要望にお応えするために、得られる情報の多い検査を行うように心がけています。地域医療連携課にご予約をお願いいたします。

診療実績

症例名 2020年 2021年 2022年
CT検査(放射線科読影) 22,352 22,585 24,264
MRI検査(放射線科読影) 7,284 8,572 9,671
RI検査(放射線科読影) 1,112 1,080 1,048
PET-CT検査 708 1,429
消化管造影検査(放射線科医施行) 305 335 338
IVR(血管系)(放射線科医施行) 59 86 113
IVR(非血管系)(放射線科医施行) 131 124 111
放射線治療 446 483 487