Japanese Red Cross Coeirty
高齢者の増加、がん患者の増加に伴い、整形外科医に求められることがますます多種多様化しています。
地域がん診療連携拠点病院として当院の整形外科が求められる診療は特殊で多岐にわたります。近年がん治療が進歩し、生命予後が改善するとともに転移性骨腫瘍に罹患される患者が急増しています。特に主診療科のがん治療方針に大きく関与するPerformance status(PS)が著しく低下する転移性骨腫瘍(脊椎転移、骨盤、大腿骨転移など)の診療が非常に重要だと考えています。今後は整形外科一丸となり転移性骨腫瘍に取り組んでいきます。
また、80歳以上の方でも脊椎変性疾患(腰部脊柱管狭窄症等)や、関節変性疾患(変形性股関節症、変形性膝関節症等)が原因で生活の質が著しく低下してきた場合は、少しでも生活の質が上がるよう積極的に手術加療をおこなっていきたいと考えています。
整形外科の入院は手術治療が中心となっています。患者さんには病状、治療法を十分説明したうえで最も納得のいく治療法を選択していただきます。手術後は地域連携室を通じ、適切なリハビリテーション専門病院をご提案します。当院から直接リハビリテーション病院に転院し、可能な限り機能が回復するようリハビリテーションを受けていただけます。
手術以外の保存療法を選択された場合には、お近くの整形外科やかかりつけ医で引き続き御加療いただけるようご紹介させていただきます。
H3
股関節
膝関節
日本整形外科学会整形外科専門医
日本DMAT隊員
兵庫県災害医療コーディネーター
H3
脊椎疾患全般
日本整形外科学会整形外科専門医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医・専門医
H13
膝関節
日本整形外科学会整形外科専門医
H14
脊椎外科
日本整形外科学会整形外科専門医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医・専門医
H16
脊椎・脊髄疾患の治療
整形外科一般
日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医・専門医
H22
整形外科・脊椎
日本整形外科学会専門医
H30
整形外科
腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア(頸椎、腰椎)、頚椎症性脊髄症、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症、脊椎圧迫骨折などの疾患を中心とし、変性後側弯症や圧迫骨折後の後彎変形などの脊柱変形や首下がり症も適応があれば手術治療を行っています。転移性脊椎腫瘍については症例数が増えており、手術や放射線治療、骨修飾薬を含め治療を行っています。腰部脊柱管狭窄症や脊柱変形の治療に対する腰椎低侵襲手術として側方進入椎体間固定術や内視鏡的ヘルニア切除術があり、当院でも適応があれば積極的に施行しています。
変形性股関節症や大腿骨頭壊死症に対し人工股関節全置換術を施行しています。手術の工夫により術後の股関節脱臼の頻度は非常に少なくなっています(約0.3%)。術後約2週で適切なリハビリテーション専門病院に転院していただき、継続して専門的なリハビリテーションをしていただけます。術前から地域連携室を通じ転院調整を行っているので、患者さんやご家族の都合等も考慮したリハビリ病院をご提案させていただくことが可能となっています。また転移性大腿骨腫瘍や大腿骨頸部骨折、大腿骨転子間骨折についても可能な限り手術を行っています。
高齢者の変形性膝関節症、大腿骨内顆骨壊死に対する手術を年間80症例以上行っています。人工膝関節全置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty)が主流ですが、最近では若年者の変形性膝関節症に対しては高位脛骨骨切り術(HTO:High tibial Osteotomy)、や人工膝関節単顆置換術(UKA: Unicompartmental Knee Arthroplasty)も適応があれば施行しています。股関節の手術と同様に手術後約2週でリハビリ専門病院に転院の上、継続してリハビリテーションを行っていただけるよう地域連携室を通じ調整させていただきます。
主診療科のがん治療方針に大きく関与するPerformance status(PS)が著しく低下する転移性骨腫瘍(脊椎転移、骨盤、大腿骨転移など)の診療が非常に重要だと考えており、放射線治療や手術加療、骨修飾薬を組み合わせた治療を積極的におこなっています。
整形外科医による乳児検診(1,3か月)を行っており、先天性股関節脱臼や内反膝(ブラント病)の治療(装具治療)を行っています。手術治療が必要になれば専門の子供病院をご紹介させていただきます。
専門医が不在になったため適切な専門病院をご紹介させていただきます。
従来通り脊椎変性疾患、関節変性疾患(股関節、膝関節)については積極的に手術加療をおこないます。また今後は脊椎や股関節、膝関節、足関節などの外傷についても可能な限り対応していきたいと考えています。
転移性骨腫瘍についてはできるだけPSを落とさないよう放射線治療や手術加療、骨修飾薬を組み合わせた治療をおこなってまいります。
この度、腫瘍専門医、リウマチ専門医が不在になったため原発性骨腫瘍や原発性軟部腫瘍、リウマチ性疾患につきましては専門医療機関をご紹介させていただくことになります。ご理解の上ご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
▼【当科における治療(手術・検査・処置)の診療実績 】
症例名 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
脊 椎 | 固定術、椎弓形成術、後方除圧術、椎間板摘出術、その他 | 328 | 313 | 284 |
股関節 | 人工股関節置換術、再置換術 | 94 | 85 | 110 |
膝関節 | 人工膝関節置換術、再置換術、関節鏡、その他 | 108 | 85 | 99 |
外傷、骨折、手の外科手術、足の外科手術、その他 | 143 | 98 | 91 | |
腫 瘍 | (骨転移含む) | 71 | 33 | 32 |
合計 | 744 | 614 | 616 |